▽イランと米国は5月11日にオマーンで4回目の核協議を行う予定だ。
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イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は10日、米国との核協議に先立ち、イランは核の権利を決して放棄せず、いかなる脅迫にも屈しないと強調した。
国営イラン通信(IRNA)はアラグチ氏の発言を引用し、「米国の目的がイランから核の権利を奪うことであるならば、我々はその権利を決して手放さず、絶対に引き下がらない」と報じた。
イランと米国は5月11日にオマーンで4回目の核協議を行う予定だ。
トランプ(Donald Trump)大統領は来週、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問する予定である。
5月3日にイタリア・ローマで予定されていた協議はオマーンの要請で延期された。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。
トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。
イランは平和利用であることを理由にトランプ政権の要求を拒否し、米国に制裁を解除するよう求めている。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。
IRANによると、アラグチ氏は次のように言及した。「米国との過去の合意において、イランは原子力の平和利用の権利を強調し、核兵器を求めていないことを明確に宣言している。イランは誠実に交渉を続けており、その目的が核兵器の不保持であれば、合意は可能である。しかし、イランの核保有権を制限することが目的であれば、決して譲歩しない」
トランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使は9日、保守系メディアのインタビューで、「イランが濃縮プログラムを維持することを許さない。それが我々のレッドラインだ。濃縮禁止、そして、3つの核関連施設を解体しなければならない」と述べていた。