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▽4日の「やり直し大統領選」ではルーマニア統一連盟(AUR)の極右シミオン氏が得票率41%で圧勝。2位はブカレスト市長のダン氏で、与党候補のアントネスク氏は決選投票に進めなかった。
2025年5月5日/ルーマニア、首都ブカレスト、記者団の取材に応じるチョラク首相(AP通信)

ルーマニアチョラク(Marcel Ciolacu)首相は5日、前日のやり直し大統領選で連立与党の統一候補が敗れたことを受け、辞意を表明した。

4日の選挙ではルーマニア統一連盟(AUR)の極右シミオン(George Simion)氏が得票率41%で圧勝。2位はブカレスト市長のダン(Nicusor Dan)氏で、与党候補のアントネスク(Crin Antonescu)氏は決選投票に進めなかった。

チョラク氏は記者会見で、「次期大統領に取って代わられる前に辞任することを決めた」と語った。

次期大統領の下、チョラク氏は交代を余儀なくされる公算が大きくなった。

またチョラク氏は連立政権から社会民主党(PSD)が離脱すると表明。「これは私の退任を意味する」と述べた。

これにより、連立与党は議会少数派に転落することになった。

PSDは連立を組む中道右派の国民自由党(PNL)およびハンガリー系政党UDMRと候補を一本化することでシミオン氏に対抗したが、支持を伸ばすことはできなかった。

チョラク氏は5月18日の大統領選決選投票について、「PSDはどちらの候補も支持しない」とし、党員は自身の良心に従って投票することになると述べた。

またチョラク氏は自身がPSD党首である限り、AURの連立政権に参加することはないと強調した。

AURを含む極右政党は議会の3分の1の議席を占めている。

シミオン氏は「ルーマニア・ファースト」を公約に掲げ、保守的な政策、ユーロ懐疑主義、トランプ(Donald Trump)米大統領のMAGA運動との緊密な連携を提唱している。

4日の選挙はルーマニア国民の強い反体制感情を浮き彫りにし、伝統的な主流政党に厳しい現実を突きつけた。ルーマニアを含むEUでは極右政党が躍進し、政治的混乱が拡大している。

憲法裁判所は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。

やり直し大統領選までの間、上院議長が大統領代行を務めている。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ジョルジェスク氏がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

また憲法裁は「ロシアの介入が疑われる」と指摘した。

選管は先月初め、ジョルジェスク氏のやり直し大統領選への立候補を拒否。ジョルジェスク氏は憲法裁に異議を申し立て、この決定を覆すよう求めた。

しかし、憲法裁はジョルジェスク氏の訴えを退けた。

シミオン氏は自身が勝利した場合、ジョルジェスク氏を要職に起用すると示唆している。

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