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▽大統領選には11人が立候補し、過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
2025年5月4日/ルーマニア、首都ブカレストの投票所、シミオン候補(右)とジョルジェスク氏(AP通信)

ルーマニアで4日に行われた「やり直し大統領選」の開票作業が進んでいる。

選挙管理委員会によると、開票率99%時点でルーマニア統一連盟(AUR)の極右シミオン(George Simion)氏の得票率が40.50%、他の候補に大差をつけている。

2位はブカレスト市長のダン(Nicusor Dan)氏で20.89%、3位は連立与党の統一候補アントネスク(Crin Antonescu)氏で20.34%。

アントネスク氏は4日深夜に敗北を認め、右派が勢力を拡大していることに深刻な懸念を表明した。

大統領選には11人が立候補し、過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。

選管によると、投票が締め切られた時点で、登録有権者の53.2%にあたる約957万人が投票。国外では97万3000票が投じられたという。

シミオン氏は勝利演説で、「私は憲法秩序を取り戻すためにここにいる」と語った。

またシミオン氏は憲法裁判所を非難し、「国民が奪われたものを取り戻し、意思決定の中心(政府)に、普通の、正直な、公正な選挙で選出された市民を据える」と強調した。

憲法裁は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。

やり直し大統領選までの間、上院議長が大統領代行を務めている。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ジョルジェスク氏がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

また憲法裁は「ロシアの介入が疑われる」と指摘した。

選管は先月初め、ジョルジェスク氏のやり直し大統領選への立候補を拒否。ジョルジェスク氏は憲法裁に異議を申し立て、この決定を覆すよう求めた。

しかし、憲法裁はジョルジェスク氏の訴えを退けた。

シミオン氏は自身が勝利した場合、ジョルジェスク氏を要職に起用すると示唆している。

ジョルジェスク氏は最近、国内のエネルギー企業を全て国有化すると主張し、投資家の不安を煽った。

一方、情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトックのユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。

ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。

捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。

チョラク(Marcel Ciolacu)首相の与党・社会民主党(PSD)、中道右派の国民自由党(PNL)、ハンガリー系政党UDMRは候補を一本化することでシミオン氏に対抗したが、支持を伸ばすことはできなかった。

シミオン氏は「ルーマニア・ファースト」を公約に掲げ、保守的な政策、ユーロ懐疑主義、トランプ(Donald Trump)米大統領のMAGA運動との緊密な連携を提唱している。

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