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▽市民は言論の自由とロシアの介入の間で揺れ動いている。
2025年3月15日/ルーマニア、首都ブカレスト、EUとの連帯を示す集会(ロイター通信)

ルーマニアの首都ブカレストで15日、EUとの連帯を示す集会が開かれ、数千人が参加した。

デモ隊はロシアの選挙介入を非難し、5月4日のやり直し大統領選で親EU候補に投票するよう呼びかけた。

憲法裁判所は11日、やり直し大統領選への立候補を目指していた極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の訴えを退けた。

選挙管理委員会はこの2日前、昨年の大統領選第1ラウンドを首位通過したジョルジェスク氏のやり直し大統領選への立候補を拒否。ジョルジェスク氏は憲法裁に異議を申し立て、この決定を覆すよう求めていた。

市民は言論の自由とロシアの介入の間で揺れ動いている。

選管は9日の決定について、公職選挙法違反の疑いと、ロシアが無所属で立候補したジョルジェスク氏を宣伝するために組織的なオンラインキャンペーンを行ったとして、結果を取り消した憲法裁の判決を引用した。

また選管は「憲法裁が疑惑を指摘した人物の立候補を認めることはできない」とした。

憲法裁は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、ジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。

やり直し大統領選までの間、国会議長が大統領代行を務めている。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ジョルジェスク氏がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

また憲法裁は「ロシアの介入が疑われる」と指摘している。

やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。

情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。

ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。

捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。

親EU派はブカレスト中心部の広場でEU旗と国旗を掲げ、反ロシアのスローガンを唱和した。

デモ主催者は会場に「団結と尊重:ヨーロッパは我々に権利を与える」「心を自由に:ロシアの知恵にノー」と書かれた横断幕を掲げた。

デモに参加した女性はAP通信の取材に対し、「プーチンの奴隷になるような愚か者を大統領に選んではならない」と語った。

一方、選管は15日、もう一人の極右候補、超国家主義者のやり直し選出馬を拒否した。

ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。

またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と称賛して物議を醸したこともある。

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