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▽犠牲者の内訳は一般市民745人、暫定政府派の民兵と治安部隊が125人、アサド派の武装勢力が145人。
シリア、首都ダマスカス(Getty Images)

シリア北西部ラタキア県とその周辺で暫定政権を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この2日間で1000人以上が死亡した。イギリスのNGOシリア人権監視団が8日、明らかにした。

アサド(Bashar Assad)前大統領を支持する勢力は6日、警察の車列に待ち伏せ攻撃を仕掛け、少なくとも13人を殺害したとみられる。

暫定政府を支持する勢力はこれに反発し、ラタキア県のいくつかの集落を襲撃。アサド派とみられる数十人を殺害したと伝えられている。

シリア人権監視団は8日、この戦闘が始まって以来、750人近くの一般市民を含む1000人以上が殺害されたと明らかにした。

それによると、犠牲者の内訳は一般市民745人、暫定政府派の民兵と治安部隊が125人、アサド派の武装勢力が145人。

ロイター通信は生存者の話しとして、「路上に遺体が散乱する中、命からがら避難した」と伝えている。

被害の全容は明らかになっておらず、政府も公式の数字を出せずにいる。

アサド氏は24年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派に敗れ、ロシアに亡命。50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。

シリア人権監視団はアサド氏を支持するアラウィー派の武装勢力が治安部隊への攻撃を強化していると指摘。双方に武器を置くよう促している。

シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領は7日、アサド派勢力に武器を引き渡すよう呼びかけ、暫定政府側の勢力には一般市民を攻撃しないよう求めた。

ラタキア県近郊にはロシア軍のフメイミム空軍基地がある。

シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

シリア人権監視団によると、ラタキア県とその周辺地域では電気と水道が使用できない状態。食料品店や学校も軒並み閉鎖されているという。

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