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▽ワドメダニはジャジーラ州の州都。23年12月以来、RSFの支配下に置かれていた。
2023年6月1日/スーダン、首都ハルツームの通り(AP通信)

スーダンの軍事政権が11日、南部ワドメダニに入り、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」を追い出したと明らかにした。

ワドメダニはジャジーラ州の州都。23年12月以来、RSFの支配下に置かれていた。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

軍政はワドメダニに入り、RSFが支配していたとされる政府庁舎に国旗を掲げる映像を公開した。

ワドメダニの奪還が内戦に影響を与えるかどうかは分からない。一部の専門家は軍政がジャジーラ州全土を統治下に置けば、内戦の転換点になる可能性があると指摘している。

軍政は声明で、「我が軍は今朝、ワドメダニに入り、RSFを追い出した。政府は国民を祝福する。我が軍は現在、市内に残るRSFの残党を掃討している」と述べた。

ジャジーラ州はハルツームの南方に位置する交易の要衝であり、ここを抑えれば、各地の戦線に部隊や物資を送りやすくなる。

現地メディアによると、ジャジーラ州は戦闘や大雨の影響で廃墟と化している。

国連はジャジーラ州で飢餓のリスクが高まっているとして、双方に食料支援を急ぐよう呼びかけてきた。

RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州は制圧できずにいる。

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