◎被害者のスマホはロックが解除され、スクリーンショットを撮られたり、連絡先が抜き取られていたとされる。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは16日、セルビアの情報機関と警察がスパイウェアを使ってジャーナリストや野党活動家の携帯電話をハッキング、監視していると明らかにした。
アムネスティはレポートの中で、「当局はこの数ヶ月間、スパイウェアを使って数多くの市民の携帯電話をハッキングし、監視した」と述べた。
それによると、調査に応じた数十人がスマートフォンのハッキング被害を報告。調査の結果、情報機関と警察が関与していることが明らかになったという。
被害者のスマホはロックが解除され、スクリーンショットを撮られたり、連絡先が抜き取られていたとされる。
アムネスティは「セルビアの監視と市民社会の抑圧」と題されたレポートで、「警察と情報局(BIA)は所有者が警察に拘束されたり事情聴取を受けたりしている間に、スパイウェアを使って端末を感染させ、情報を抜き取っていた」と主張した。
またアムネスティは「当局は監視技術とデジタル抑圧戦術を市民社会に対するより広範な国家統制と抑圧の手段として展開している」と非難した。
セルビア警察は声明でアムネスティのレポートを否定。「ひどい間違いであり、このようなツールは世界中の警察が使っている」と主張した。
BIAも声明を出し、「当局は刑法が定める範囲で活動しており、違法なスパイウェアを使ったという団体の主張は誤りである」と述べた。
セルビアでは現在、北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で続いている。
この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。