◎イスラム過激派組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」は今週、アサド政権の支配下にあるアレッポ県に攻め込み、複数の集落を占領。正規軍への攻撃を本格化させたと伝えられている。
シリア東部アレッポ県に反体制派が攻め込み、正規軍を追い出しているようだ。
イスラム過激派組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」は今週、アサド政権の支配下にあるアレッポ県に攻め込み、複数の集落を占領。正規軍への攻撃を本格化させたと伝えられている。
イギリスのNGOシリア人権監視団は29日、「HTSがアレッポの中心部に迫っている」と報告した。
ソーシャルメディアで拡散された動画にはHTSの戦闘員とみられる武装兵が映っていた。HTSは3日前に大規模攻撃を開始し、それ以来、県内の田園地帯や集落の大部分を占領したとされる。
アサド政権とその同盟国であるロシアは反体制派による数年ぶりの猛攻に苦戦しているようだ。
シリア人権監視団は各地で正規軍とHTSによる激しい戦闘を報告している。軍事アナリストたちはHTSに同調する他の反体制派も攻撃に参加していると指摘しているが、詳細は不明だ。
HTSは内戦下のシリアで活動する反政府組織のひとつ。北西部イドリブ県に本部がある。
シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
ロシアとアサド政権は反体制派地域への空爆を続けている。前線でこの規模の戦闘が報告されたのは数年ぶりである。