◎捜査は17日に始まり、現在進行中とのこと。
中米ドミニカ共和国の捜査当局は21日、警察署の武器庫から武器と弾薬を盗み、暴力が蔓延している隣国ハイチの犯罪者を含む人々に違法に販売したとして、陸軍大佐と警察官9人を逮捕したと明らかにした。
それによると、捜査は17日に始まり、現在進行中とのこと。
AP通信は情報筋の話しとして、「盗まれた物資はハイチの不特定多数の人々に売却されていた」と伝えている。
それによると、逮捕された10人のうち少なくとも1人はハイチと国境を接するドミニカ南部で口径の異なる弾薬を何十箱も受け取り、1箱86ドル~99ドルで販売した罪に問われている。
この1人は弾薬をハイチ人に売りさばいたという。
陸軍大佐は弾薬を販売した警察官からバックパックに詰められた現金を受け取ったとされる。
この窃盗計画の首謀者は大佐とみられ、全体で90万発以上の弾薬がハイチに流れたとされる。
販売された武器の数や種類、大佐らがいつ活動を開始したかは明らかになっていない。当局は捜査が続いているとして、詳細を明らかにしていない。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は先月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。