◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2024年11月1日/ハイチ、首都ポルトープランス、武器を持っていないことをアピールする通行人(AP通信)

中米ハイチ・ポルトープランスの国際空港は12日になっても閉鎖されたままだ。

米フロリダ州からハイチに向かっていた米国の格安航空会社スピリット航空の旅客機は前日、この空港に着陸しようとした際、地上から銃撃を受け、隣国ドミニカへの迂回を余儀なくされた。

ハイチ国家警察はギャングの犯行と非難した。

AP通信が公開した写真には機内に点在する弾痕が写っていた。

航空機の位置を追跡するフライトレーダー24によると、この旅客機は地上170メートル付近まで高度を下げた後、大きく迂回している。

ハイチの航空当局はこの事態を受け、同空港の運用を少なくとも14日まで停止すると発表。閉鎖がいつまで続くかは不明である。

現地メディアによると、空港周辺には重装備の警察官が配備され、道路を通過するトラックや乗用車をチェックしていた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は先月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

空港近くの小売店は軒並み閉鎖、銀行や役所も閉鎖されたままだ。前日までギャングと警察が激しい銃撃戦を繰り広げていた通りも不気味なほど人影がなく、車もほとんど通らない。

暫定大統領評議会によって新首相に指名されたフィスエイム(Alix Didier Fils-Aimé)氏は11日、宣誓した。

半年前に就任し、突然解任されたコニール(Garry Conille)前首相はSNSに声明を投稿。「暫定大統領評議会に首相を解任する権限はない」と非難した。

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