◎アルセ大統領の支持者とモラレス元大統領の支持者による衝突は各地で続いている。
南米ボリビアのアルセ(Luis Arce)大統領は1日、エボ・モラレス(Evo Morales)元大統領の支持者が3つの軍部隊を支配下に置いたと明らかにした。
アルセ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「軍部隊の奪取は祖国に対する反逆、憲法を冒とくする行為であり、絶対に許されない」と書き込んだ。
ボリビア軍は1日の声明で、「非正規の武装集団が兵士を誘拐し、その後、モラレス元大統領の支持者の支配下に置いた」と明らかにした。
また軍は兵士の誘拐に関与した者を非難し、「平和的に解放しなければ反逆者とみなされる」と述べ、武力行使も辞さないと示唆した。
アルセ氏の支持者とモラレス氏の支持者による衝突は各地で続いている。
モラレス氏は在職中に大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモの取り締まりで34人が死亡した。
モラレス派とみられるSNSユーザーは1日、中部コチャバンバ県のチャパレ地方の軍部隊を「平和的に」支配したと主張。拘束された兵士の写真や司令官とみられる男性が発言する動画も公開した。
政府はこの動画に登場する人々が軍の兵士かどうかには言及していない。
一方、警察は首都ラパス郊外などに部隊を派遣し、軍の支援を受けながら道路の瓦礫を撤去した。
この衝突は検察当局が先月、モラレス氏が2016年に15歳の少女との間に子供をもうけたという告発について捜査を開始した後、激化した。
検察は少女が強姦された可能性があるとみて捜査しているが、モラレス氏は法廷での証言を拒否している。