◎イスラム教徒の多いパキスタンでトランスジェンダーの人々はしばしば嫌がらせや暴力を受けている。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州マルダンで出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーの女性2人が殺害された。警察が22日、明らかにした。
それによると、事件はマルダンの住宅地で21日深夜に発生。短剣で武装した2人の男が女性2人を殺害、逃亡したという。
マルダン警察の署長は記者会見で、「事件に関連して容疑者2人を逮捕した」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
また署長は「この2人が実行犯か」というメディアの質問にも答えなかった。
イスラム教徒の多いパキスタンでトランスジェンダーの人々はしばしば嫌がらせや暴力を受けている。
地元メディアによると、トランスジェンダーは性犯罪を罰するために親族によって行われる、いわゆる「名誉殺人」の犠牲者となることが多い。
パキスタン議会は2018年、トランスジェンダーのパキスタン人の基本的人権を確保するため、トランスジェンダー権利保護法を採択した。
しかし、同国の多くの人々はジェンダーとセクシュアリティに関する凝り固まった信念を持っており、トランスジェンダーはしばしば異端とみなされる。
その多くが差別に直面し、お金を稼ぐために物乞いやダンス、さらには売春を余儀なくされる人もいる。
当局はトランスジェンダーが望む性別を記した身分証明書を発行している。