◎事故から数日後、キブ湖の船着き場はフェリーおよびボートの運航を再開した。
コンゴ民主共和国東部のキブ湖で先週発生したフェリー沈没事故の行方不明者の捜索が続いている。現地メディアが10日に報じた。
フェリーは3日早朝、南キブ州・キブ湖の船着き場を出発し、北キブ州ゴマに向かう途中で横転、沈没。これまでに78人の死亡が確認された。
南キブ州知事はこのフェリーに278人が乗っていたと報告している。
現場で救助活動にあたった地元の民兵やボランティアが少なくとも10人を救助したと伝えられている。
事故から数日後、キブ湖の船着き場はフェリーおよびボートの運航を再開した。
捜査当局は業務上過失致死傷罪を視野に捜査を開始すると発表しているが、今のところ逮捕者は出ておらず、フェリーが横転した原因も分かっていない。
AP通信によると、キブ湖の船着き場には数百人の利用者が列をなし、木製のボートが次々と出港しているという。
フェリーはゴマの港から数百メートルの地点で沈没した。
南キブ州と北キブ州を含む東部地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
これらの地域では自然災害や事故が発生しても救助活動はほとんど行われない。
今年6月には首都キンシャサ近郊で過積載のボートが沈没し、80人が死亡。1月には北キブ州の湖で22人が死亡、23年4月にはキブ湖で6人が死亡、64人が行方不明になった。
犠牲者の遺族たちは9日、当局が捜索を続ける中、船着き場で抗議デモを行った。
デモに参加した女性はAPに、「政府がこの地域の暴力を放置した結果、まともな救助活動を行えず、100人以上が溺死した」と語った。
南キブ州と北キブ州の道路はほとんど整備されておらず、数少ない道も紛争の影響で荒廃。陸軍と武装勢力の戦闘に巻き込まれることも珍しくなく、住民たちはボートでの移動を余儀なくされている。
政府は運航者に安全対策を守るよう警告し、違反した者は罰すると宣言している。
今年、このような沈没事故で死亡または行方不明になった人は数百人にのぼる。