◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の車列(Getty Images)

米財務省は9日、アフリカ北東部・スーダンで軍事政権との戦闘を続ける準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の幹部を制裁リストに追加した。

今回制裁対象となったのはRSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官の弟であるアルゴニー・ダガロ(Algoney Hamdan Daglo Musa)。

アルゴニーはUAE(アラブ首長国連邦)に本拠を置く企業を経営し、RSFに車両や武器などを供給しているという。

軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

米財務省は声明で、「アルゴニーはRSFによる北ダルフール州エルファーシル包囲に深く関与している」と非難した。

また同省は「米国、国連、アフリカ連合(AU)などが和平を提唱する中、アルゴニーを含む双方の重要人物が自国民に対する攻撃やその他残虐行為を容易にするために武器を調達し続けている」と述べた。

この制裁により、アルゴニーが米国内で保有する資産はすべて凍結された。また米国市民が管理するアルゴニーの資産と権益も凍結される。

さらに、米国市民はアルゴニーの企業やそれに関連する企業・組織との取引を禁じられる。

米政府は昨年、軍政とRSFの関係者双方を入国禁止リストに追加した。

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