◎カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
パキスタンの検察当局は8日、首都イスラマバード郊外の無許可抗議デモを主導し、暴動を煽ったとして、収監中のカーン(Imran Khan)元首相を扇動罪および殺人未遂罪で起訴したと明らかにした。
カーン被告の支持者は週末、警察の許可を得ずにイスラマバード郊外を行進。機動隊と激しく衝突、80人以上の警察官が負傷した。
警察によると、この暴動で負傷した警察官1人が入院先の病院で亡くなったという。
検察はカーン被告が支持者に対し、集会を開いて自身の釈放を要求するよう促し、それが暴動につながったと主張している。
警察はこの暴動に関与した数百人を逮捕した。
週末、イスラマバードは完全封鎖され、インターネットも不通になった。
市中心部につながる道路にはコンテナが設置され、デモ隊の車をブロックしたものの、数万人の支持者が徒歩で行進し、機動隊と衝突した。
警察によると、デモ隊は石を投げたり、付近の店舗を略奪したという。
カーン被告は2022年の不信任決議で弾劾され、翌年5月に逮捕。現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監されている。
カーン被告は複数の裁判で実刑判決を受けているが、いずれも刑は確定していない。
カーン被告の弁護団は今回の追起訴でさらに多くの困難に直面すると予想されている。
検察はカーン被告の野党・パキスタン正義運動(PTI)の委員長らも扇動罪や公務執行妨害などで起訴している。