地元メディアの世論調査によると、サイード大統領の再選は揺るぎそうにない。
2024年10月5日/チュニジア、首都チュニス、サイード大統領に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ北部・チュニジアの首都チュニスでサイード(Kais Saied)大統領に抗議するデモが続いている。現地メディアが5日に報じた。

数百人のデモ隊はサイード氏と6日の大統領選に不満を表明。「公正な選挙を」「野党議員の出馬を認めろ」などと書かれた横断幕を掲げて市内を行進した。

行進に参加した女性はAP通信の取材に対し、「今回の選挙でサイードの任期が終わることを望んでいる」と語った。

一部のデモ隊は投票を拒否するよう促しながら行進した。

地元メディアの世論調査によると、サイード氏の再選は揺るぎそうにない。主要なライバル候補は刑務所に収監されているか、出馬を禁じられている。

サイード氏は5年前、「アラブの春(2010~12年)」につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。

その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。

議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

選挙管理委員会は先月初め、野党候補17人のうち2人の立候補を許可。しかし、そのうちの1人であるザメル(Ayachi Zammel)氏はその直後に逮捕・起訴され、先月、禁固20カ月の実刑判決を受けた。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは8月、サイード政権が野党候補の出馬を制限し、有力候補を選挙から締め出していると非難した。

デモ隊の行進を見守った商店の店主はAPに、「投票しないという若者が増えていることに落胆している」と語った。「自分の意思を示すためにも投票すべきです...」

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