◎地元メディアの世論調査によると、サイード大統領の再選は揺るぎそうにない。
2024年10月1日/チュニジア、首都チュニスの大統領選ポスター(Getty Images/AFP通信)

アフリカ北部・チュニジアの大統領選挙が10月6日に迫る中、同国の若者の間では政治や投票そのものに対する様々な思いが交錯している。

機会がないことを理由に、海外移住を目指す者もいる。

首都チュニスの果物屋では働く男性はAP通信の取材に対し、「若者に言いたい、この国にとどまる理由はない。海外に行くべきだ」と語った。

今回の選挙が変化をもたらすと期待する人もいる。

32歳の露天商は「誰が勝利しても、国を立て直し、若者の雇用や高い生活費に目を向けてほしい」と訴えた。

地元メディアの世論調査によると、サイード(Kais Saied)大統領の再選は揺るぎそうにない。主要なライバル候補は刑務所に収監されているか、出馬を禁じられている。

サイード氏は5年前、「アラブの春(2010~12年)」につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。

その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。

議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

議会閉鎖以来、サイード氏を敵視する野党政治家や活動家が相次いで逮捕される事態となっている。

選挙管理委員会は先月初め、野党候補17人のうち2人の立候補を許可。しかし、そのうちの1人であるザメル(Ayachi Zammel)氏はその直後に逮捕・起訴され、先月、禁固20カ月の実刑判決を受けた。

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