◎このにらみ合いは来年の大統領選を前に、ボリビアの分断の深さを物語っている。
南米ボリビア・ラパス近郊で22日、エボ・モラレス(Evo Morales)元大統領を支持するデモ隊とがアルセ(Luis Arce)大統領を支持する親政府派が衝突し、少なくとも8人が負傷した。
モラレス派とアルセ派はラパス近郊エルアルトの市道でつかみ合い、罵り合い、石を投げ合った。
見かねた機動隊が両陣営のど真ん中に催涙ガス弾を撃ち込み、暴徒を打ち負かした。
保健省によると、この激しい乱闘で少なくとも8人が負傷し、病院に搬送されたという。
モラレス派は先週デモ行進を開始。首都ラパスの大統領府を目指している。
このにらみ合いは来年の大統領選を前に、ボリビアの分断の深さを物語っている。モラレス政権で閣僚を務めたこともあるアルセ氏は再選を目指している。
2人の権力闘争はこの数カ月で激化。経済活動を麻痺させる事態となり、外貨準備を目減りさせ、通貨安とインフレを煽っている。
モラレス氏は在職中に大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。治安当局によるデモの取り締まりでは少なくとも34人が死亡した。
一方、アルセ氏は6月末のクーデター未遂で危機に直面。モラレス氏はこれをアルセ政権の自作自演と呼び、アルセ氏に退陣を要求した。