◎オルテガ政権は昨年、300人以上の政治家や活動家などを国外追放し、国籍を剥奪した。
ニカラグア政府は10日、先週国外に亡命した政治犯135人の市民権を剥奪し、全財産を差し押さえたと発表した。
独裁者オルテガ(Daniel Ortega)大統領の支配下に置かれる最高裁判所は135人をテロリストと呼び、「暴力、憎悪、テロリズム、経済の不安定化」を助長したと主張。「国家の主権、独立、自決に反する反逆行為で有罪判決を受けた者たちの国籍を剥奪し、その全財産を没収する」と述べた。
この135人は先週、米国との取り決めにより、グアテマラに移送された。AP通信によると、135人は複数の手続きを経て、米国に向かう予定。
米政府は取引の詳細を明らかにしていないが、「譲歩はしていない」と主張している。
オルテガ氏は2018年の反政府デモを力でねじ伏せて以来、3500以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
弾圧に屈したカトリック教会やNGOの施設などは軒並み差し押さえられている。
2018年の弾圧以来、数十万人が国外に流出。その大半が隣国コスタリカに渡り、米国を目指している。
オルテガ政権は昨年、300人以上の政治家や活動家などを国外追放し、国籍を剥奪した。
逮捕された政治犯の多くが刑務所内の「手作り簡易裁判所」で弁護士のサポートを受けることなく実刑判決を言い渡されている。
市民権や財産を失い、国に帰ることもできない政治犯たちは身動きがとれず、生活していくのに苦労している。