◎この協定は他国による「悪意のある行動」に協力して対処するもので、キプロス軍と米軍の連携を強化し、より円滑・効果的な活動を可能にするとしている。
地中海の島国キプロスと米国が9日、地域の人道的危機や安全保障上の懸念への対応を強化する方法をまとめた2国間防衛協定に署名した。
両国の国防省は声明で、「この協定により、近年急成長している両国の関係は新たな領域に達した」と述べた。
キプロスの国防相は会談後の記者会見で、「我が国は東地中海における米国の強力なパートナーであり、欧州、北アフリカ、中東の結節点で極めて重要な役割を果たしている」と強調した。
米国の代表団はキプロスが昨年、スーダンとイスラエルから逃れた米国市民の安全な避難所として機能したことを称賛。さらに、ガザ地区への海上回廊建設でも重要な役割を果たしたと述べた。
2600万ドル以上の支援物資がこの回廊を使ってガザ地区に搬入されている。
米国の代表団は「キプロスと西側が完全に連携していることは説明するまでもない」と述べた。
共同声明によると、この協定は他国による「悪意のある行動」に協力して対処するもので、キプロス軍と米軍の連携を強化し、より円滑・効果的な活動を可能にするとしている。
キプロスは1974年のキプロス紛争で島が二分されて以来、トルコとその地位をめぐって激しく対立してきた。
NATO加盟国のトルコはキプロスからの独立を宣言した北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)に3万5000人の兵士を駐留させ、キプロスを威嚇し続けている。
北キプロスの独立を承認した国はトルコだけである。