◎ブルガリアはロシアの新興財閥(オリガルヒ)寄りの腐敗した政治家たちに対する抗議デモが激化した2020年以来、政治危機に苛まれてきた。
ブルガリアのラデフ(Rumen Radev)大統領は27日、政治的行き詰まりと経済的苦境を打破するため、国民に対し、今年10月の議会選に積極的に投票するよう呼びかけた。
投票日は10月27日。この3年で7回目の解散総選挙となる。
ラデフ氏は27日に暫定政権を承認。内閣のメンバーは解散前とほぼ同じ顔触れであり、国会(一院制、定数240)で宣誓した。
ラデフ氏は宣誓式に先立ち、「政治危機は終わっていない」と強調。「持続可能な多数派が誕生して初めて、解決に向かうだろう」と述べた。
ブルガリアはロシアの新興財閥(オリガルヒ)寄りの腐敗した政治家たちに対する抗議デモが激化した2020年以来、政治危機に苛まれてきた。
過去6回の解散総選挙のうち、政権が誕生したのは2回のみ。
その2回も改革志向の政治家たちが汚職に立ち向かい、ロシアへのエネルギーと安全保障の依存を断ち切ろうとした結果、崩壊した。
前回6月の選挙でも明確な勝者は生まれなかった。7つの政党が連立交渉に臨んだものの、持続可能な政権は誕生せず、国会は機能不全に陥っている。
ペトコフ(Kiril Petkov)元首相率いる中道右派「GERB(欧州発展のためのブルガリア市民)」は68議席を獲得したものの、過半数には遠く及ばず、連立パートナーを見つけることもできなかった。
有権者は政治家にウンザリしており、投票率は2021年4月の50%から今年6月には33%まで低下した。