◎コロンビア軍は南部地域で活動するゲリラの対応に長い間苦慮してきた。
コロンビア国防省は12日、南部グアビアレ郊外の集落で誘拐された陸軍兵士66人が無傷で解放されたと発表した。
コロンビア軍は南部地域で活動するゲリラの対応に長い間苦慮してきた。ゲリラは麻薬密売、人身売買、森林伐採などで利益を上げている。
国防省によると、左翼ゲリラ「FARC-EMC」から分離したゲリラ部隊は9日、グアビアレ郊外の集落近くで活動していた陸軍の小隊を拉致するよう大勢の村人に命じたという。
その後、兵士たちは村人に取り囲まれ身動きが取れなくなった。
国防省は11日、X(旧ツイッター)に声明を投稿し、「兵士たちに手を出せば停戦交渉を打ち切り、総攻撃を仕掛ける」と警告していた。
グアビアレの知事は地元テレビ局のインタビューで、「兵士を拉致した村人の一部はゲリラの影響を受けた可能性があるが、その他大勢はこの地域で戦闘が続くことを望んでおらず、陸軍に去ってほしいと思っているようだ」と語った。
ペトロ政権は現在、コロンビア革命軍(FARC)と2016年に結んだ和平協定に参加していない複数のゲリラと和平交渉を行っている。
FARC-EMCはFARCの分離組織。2016年の和平協定に反対する勢力が結成した。
FARC-EMCはFARCの元現地指揮官が率い、戦闘員数は約3500人と推定されている。FARCの戦闘員1万4000人以上が2016年の和平協定で武器を置いた。
地元メディアによると、今回の誘拐事件を主導したとされるゲリラ部隊の構成員は200~300人程度だという。