◎市中心部には2000人以上が集まり、ハシナ首相に退陣を求めた。
バングラデシュの首都ダッカ2日、政府与党に退陣を求めるデモが暴動に発展し、少なくとも2人が死亡、100人以上が負傷した。
市中心部には2000人以上が集まり、ハシナ(Sheikh Hasina)首相に退陣を求めた。
現地メディアによると、その一部が暴徒化し、複数カ所で略奪や放火が確認されたという。
2週間以上に渡って続いた先月の暴動は当局の取り締まりで沈静化。地元メディアはこの死者数を200~220人、負傷者を数千人と報じている。
バングラでは1971年にパキスタンから独立する際に戦った兵士の家族らのために、公務員の特別枠(全体の30%)が割り当てられていたが、政府は2018年にこれを廃止すると決定した。
しかし、高等裁判所が6月、これを違憲と裁定したため、大規模な抗議デモに発展。多くの学生が首都ダッカなどで特別枠を廃止するよう求め、一部が暴徒化した。
その後、最高裁判所が特別枠の割合を縮小するよう命じると、デモは鎮静化。暴動も収まった。
ダッカのデモ隊はハシナ氏を「独裁者」と呼び、警察に同氏を逮捕するよう求めた。
首相府から数キロの地区では学生と警察が衝突。警察は催涙ガスやスタングレネードを使ってこれを鎮圧し、数十人を逮捕した。
南西部の地区でも同様の衝突が発生、約50人が負傷した。地元紙は暴徒に襲われた警察官1人が死亡したと報じている。
北東部の地区では与党・アワミ連盟の事務所が放火され、男性が死亡、50人が負傷した。報道によると、暴動とは無関係の男性の頭部に流れ弾が当たり、まもなく死亡が確認されたという。
南東部の地区では約1000人が金曜礼拝後にデモ行進を行い、近くの警察署に放火した。
SNSには暴徒を非難するコメントが多数寄せられている。
ハシナ氏は今年1月の議会選で4選を果たした。
7月15日に暴動が勃発して以来、当局はインターネットを遮断し、外出禁止令を継続している。学校や大学は閉鎖されたままだ。
インターネットは今週、ようやく復旧した。