◎少なくとも10の州・地域で略奪や放火が確認された。
ナイジェリア全土で行われている政府与党、汚職、貧困に抗議するデモについて、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは2日、治安部隊がデモ参加者少なくとも9人を殺害したと発表した。
警察庁によると、多くの地域で略奪や放火が確認され、全国で300人以上が逮捕されたという。
北部の5州が外出禁止令を発令し、「暴動には厳しく対処する」と宣言している。
死者が確認されたのは中部ナイジャ州や北東部ボルノ州など。警察は暴徒に向けて催涙ガス弾やゴム弾を発射したという。
一部メディアは警察が実弾を使ったと伝えている。
少なくとも10の州・地域で略奪や放火が確認された。
地元メディアによると、デモは1日に暴動化し、2日も続いたという。警察はこの日も催涙ガス弾やゴム弾を使用した。
警察庁は声明で、「外出禁止令を出した州以外の地域も厳戒態勢にあり、陸軍に支援を求める可能性がある」と明らかにした。
デモ隊はこのデモを「怒りの日」と名付け、SNSで参加者を募っている。
このデモを監視している国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのナイジェリア担当は声明で、「目撃者、犠牲者の家族、弁護士などから情報を集めて検証し、警察が少なくとも9人を殺害したという結論に至った」と述べた。
中央政府は今のところ、この取り締まりに関するコメントを出していない。
デモ隊はティヌブ(Bola Tinubu)大統領に辞任を求め、公務員の給与引き上げや食料不足などに抗議している。
公務員などで構成されるナイジェリア労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)は先月、政府との労使交渉で合意。これにより、公務員の月給は7万ナイラ(約6300円)に引き上げられることが決まった。