◎少なくとも3つの州で略奪や放火が確認された。
ナイジェリア全土で1日、政府与党、汚職、貧困に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
現地メディアによると、その一部が暴徒化し警察と衝突、少なくとも2人が死亡、数十人が逮捕されたという。
死者が確認されたのは中部ナイジャ州。警察は幹線道路を占領した暴徒に向けて催涙ガス弾を発射したという。
一部メディアは警察が実弾を使ったと伝えている。
少なくとも3つの州で略奪や放火が確認された。
デモ隊はティヌブ(Bola Tinubu)大統領に辞任を求め、公務員の給与引き上げや食料不足などに抗議した。
公務員などで構成されるナイジェリア労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)は先月、政府との労使交渉で合意。これにより、公務員の月給は7万ナイラ(約300円)に引き上げられることが決まった。
デモ隊はこのデモを「怒りの日」と名付け、SNSで参加者を募った。
SNSで拡散した動画には倉庫を略奪する人々や、建造物に放火する暴徒の姿が映っていた。
少なくとも3州の知事が夜間外出禁止令を発令し、暴力を非難した。
地元の権利団体は警察が過剰な武力を行使したと主張している。
このデモを監視した国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのナイジェリア担当は声明で、「警察が平和的なデモを厳しく取り締まり、暴動を誘発した」と主張した。
政府はこの取り締まりに関するコメントを出していない。
ティヌブ氏は昨年5月の就任初日にガソリン補助金を廃止。複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。
その後も電気料金の補助金を廃止するなどした結果、ガソリン価格は2倍以上に、公共交通機関の運賃や日用品の価格も急騰した。
その後もインフレは加速。6月の消費者物価指数(CPI)は34.1%に達し、過去30年で最も高くなった。