◎バングラでは1971年にパキスタンから独立する際に戦った兵士の家族らのために、公務員の特別枠が割り当てられていたが、政府は2018年にこれを廃止すると決定した。
2024年7月19日/バングラデシュ、首都ダッカ、公務員採用の特別枠に抗議するデモ(AP通信)

バングラデシュで公務員採用の特別枠に反対する学生たちのデモが暴動に発展、100人以上が死亡、数千人が負傷する事態となっている。

政府与党は全土に夜間外出禁止令を出し、首都ダッカに陸軍を投入。「平和的な抗議デモは認めるが、暴動は一切容認せず、厳しく対処する」と誓った。

与党・アワミ連盟の書記長は声明で、「極端な暴力が確認された場合、警察は暴徒に発砲することができる」と主張。学生たちに武器を置くよう求めた。

現地メディアによると、デモ隊の一部が暴徒化し、店舗を略奪したり、家屋に火を放っているという。

バングラでは1971年にパキスタンから独立する際に戦った兵士の家族らのために、公務員の特別枠が割り当てられていたが、政府は2018年にこれを廃止すると決定した。

しかし、高等裁判所が先月、これを違憲と裁定したため、デモに発展。多くの学生がダッカなどで特別枠を廃止するよう求めている。

AP通信は当局者の話しとして、「16日に暴動が激化、これまでに学生ら少なくとも103人が死亡、全土で数千人が負傷したという情報もある」と伝えている。

それによると、遺体はダッカ市内の大学病院などに搬送されたという。一部の地元メディアはその多くに銃痕があったと伝えているが、詳細は不明だ。

在パキスタン・米国大使館は20日、全土で数千人が負傷したという報告を受け、ショックを受けていると表明。自国民に外出を控えるよう呼びかけた。

バングラ当局は死傷者の数を公表していない。

現地メディアによると、ダッカ市内ではインターネットと電話網が遮断されたという。いくつかのテレビ局も放送を休止し、ほとんどの地元紙のウェブサイトも閲覧できない状態になっている。

一方、首相官邸や中央銀行を含むいくつかの主要政府ウェブサイトはハッキング被害に遭い、改ざんされたようだ。

地元メディアによると、ダッカ北部の刑務所に暴徒が押し入り、放火。約800人の受刑者が脱獄したという。

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