◎サウジ当局はハッジ中に亡くなった巡礼者の数を公表しておらず、コメントも出していない。
イスラム教の聖地メッカへの大巡礼「ハッジ」に参加したイスラム教徒数百人が猛烈な熱波に耐え切れず、死亡したとみられる。現地メディアが19日に報じた。
サウジ当局はハッジ中に亡くなった巡礼者の数を公表しておらず、コメントも出していない。
しかし、聖なる丘やカーバ神殿の近くなどに設置された救護テントには家族と連絡が取れなくなった数百人が列をなし、行方不明になった家族の情報を得ようとしていた。
ネット上に出回っているリストによると、5日間のハッジで少なくとも550人が死亡したという。
AP通信は情報筋の話しとして、「リストはサウジの保健当局が作成したものである」と伝えている。
一部の現地メディアはメッカとその周辺地域の医療機関に600人以上の遺体が運び込まれたと報じた。
ハッジはイスラム教徒にとって、「一生に一度は行わなければならない人生の義務」である。
巡礼者たちは1400年前に預言者ムハンマドが歩いた道を数日かけて巡礼し、神に近づくことを目的とする儀式を行う。
今年は世界中から180万人以上のイスラム教徒が集まり、うだるような暑さの中、カーバ神殿や聖なる丘を巡礼した。
ハッジで死者が出ることは珍しくなく、専門家によると、伝染病が蔓延したこともあったという。