◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和東部・北キブ州でイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」による暴力が激化し、6月に入ってから150人近くの市民が殺害された。地元当局が18日、明らかにした。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
ADFは近年、この地域で活動を活発化させ、コンゴ・ウガンダ連合軍の取り締まりをかいくぐり、北キブ州やイトゥリ州で民間人を虐殺してきた。
アフリカ連合(AU)のマハマト(Moussa Faki Mahamat)委員長は17日、「北キブ州東部の集落で最近発生したADFの攻撃により、住民少なくとも42人が殺害された」と声明を出した。
マハマト氏は犠牲者の哀悼の意を表し、「ADFが罪のない一般市民を虐殺している」と非難した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のコンゴ事務所によると、6月に入ってから北キブ州内でADFの攻撃により死亡した市民は150人近くに達し、数百人が行方不明になっている。
コンゴ・ウガンダ連合軍は2021年末からADFと戦争状態にある。それ以降、民間人が狙われる事件が相次ぎ、この3年で数千人が死傷したと推定されている。
国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)によると、先週この地域をパトロールしていた部隊が複数回攻撃を受け、1人が負傷したという。
この攻撃にADFが関与したかどうかは不明。北キブ州では同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」も活発に活動しており、国軍と戦争状態にある。
米国務省はADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金をかけている。