◎その90%近くが紛争や暴力によるもの。10%が自然災害の影響によるものである。
スイス・ジュネーブに本部を置く監視団体「国内避難民モニタリングセンター」は13日、紛争や自然災害などにより、自国内で避難生活を余儀なくされている世界の国内避難民が7590万人に達し、過去最多を更新したと明らかにした。
それによると、国内避難民の数は過去5年間で1.5倍に、過去10年間でおよそ2倍に急増したという。難民(他国に逃れた避難民)は対象外である。
昨年移動を余儀なくされた国内避難民は推定4690万人。洪水などの自然災害ではほとんどの場合、故郷に戻ることができる。
昨年家を離れて国連やNGOの避難所に身を寄せている人の数は昨年末時点で推定7590万人。その半数がイスラム過激派の暴力に直面するサハラ砂漠以南のサヘル地域で報告されている。
同センターを運営するノルウェー難民評議会(NRC)は声明で、「暴力、紛争、迫害による国内避難民がこれほど急増したことはいまだかつてなかった」と深刻な懸念を表明した。
その90%近くが紛争や暴力によるもの。10%が自然災害の影響によるものである。
内戦下にあるアフリカ北東部・スーダンの国内避難民数は900万人超。同センターが16年前に統計を取り始めて以来、単一国家としては最も多くなった。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。