◎最大都市アルマトイや首都ヌルスルタンなどで2022年1月に発生した抗議デモは同国史上最大の暴動に発展。治安部隊と暴徒が衝突し、238人が死亡した。
カザフスタンの捜査当局が2年前の抗議デモを武力で鎮圧するよう命じたとされる元内相を逮捕した。国営メディアが4月30日に報じた。
それによると、エルラン(Erlan Turgumbayev)元内相は公務員職権濫用罪などに問われる見通し。
国営テレビは当局者の話しとして、「国家警察は29日にエルラン氏を逮捕した」と伝えている。
最大都市アルマトイや首都ヌルスルタンなどで2022年1月に発生した抗議デモは同国史上最大の暴動に発展。治安部隊と暴徒が衝突し、238人が死亡した。
エルラン氏はこの暴動の1カ月後に解任された。
トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領はエルラン氏に暴徒を鎮圧するよう命じ、射殺命令も承認したとされるが、詳細は不明だ。
暴動は地方都市で1月2日から始まり、都市部に広がった。デモ隊は燃料価格の高騰に抗議していた。
その後、一部の暴徒が政治的な不満を治安部隊にぶつけ、大規模な暴動に発展。暴徒は独裁者のナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)前大統領の後を継ぐトカエフ氏が莫大な天然資源を利用して私腹を肥やしているという非難した。
ナザルバエフ氏は2019年の退任後まもなく安全保障理事会のトップに就任。影響力を保持した。
しかし、トカエフ氏はこの暴動にナザルバエフ氏の権力保持への不満が含まれていたことを踏まえ、ナザルバエフ氏をそのポストから外し、政治・経済改革に着手した。