◎救助された9人はサハラ砂漠以南の出身とみられる。どの国から出港したのかは明らかになっていない。
アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島の沖合約100キロの地点でボートが転覆し、移民とみられる約50人が行方不明になっている。現地メディアが29日に報じた。
それによると、沿岸警備隊は29日早朝、「ボートがひっくり返っている」という商船からの通報を受けたという。
その後、ヘリ部隊が現場に急行し、ボートにしがみついていた9人を救助した。
国営通信社EFEは関係者の話しとして、「救助された移民はカナリア諸島に搬送された際、9日前に出港し、ボートには60人が乗っていたと証言した」と伝えている。
EFEによると、救助された9人はサハラ砂漠以南の出身とみられる。どの国から出港したのかは明らかになっていない。
サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた数万人が毎年、アフリカ北西部(モーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアなど)からスペインを目指し出港する。
その大半がスペイン領カナリア諸島を目指す一方、スペイン本土に渡ろうとする者も少なくない。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。
スペイン内務省によると、今年カナリア諸島に到着した移民は4月15日時点で約1万7000人。昨年同時期より1万1000人以上増加した。
その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。