◎右派政党を支持する民間の弁護士会はゴメス氏がその地位を利用してビジネス取引に影響を与えたと告発。首都マドリードの地方裁判所は今週、この訴状を受理した。
スペイン・マドリードで27日、サンチェス(Pedro Sánchez)首相と妻のゴメス(Begoña Gómez)夫人を応援する集会が開かれ、数千人が参加した。
デモ隊は社会労働党の本部前でサンチェス夫妻への連帯を表明し、辞任しないよう求めた。
右派政党を支持する民間の弁護士会はゴメス氏がその地位を利用してビジネス取引に影響を与えたと告発。首都マドリードの地方裁判所は今週、この訴状を受理した。
サンチェス氏はこの事態を受け、29日まで公務をすべてキャンセル。一部メディアと右派政党が偽りの情報に基づき、妻を攻撃し、連立政権を中傷していると非難した。
サンチェス氏は29日に自身の進退についてコメントする予定だ。
ゴメス氏を告発した団体はそれが新聞記事に基づいていることを認めている。マドリード地検はこの疑惑に関する証拠が示されていないとして、裁判所に訴えを退けるよう勧告している。
サンチェス氏はこの疑惑を「でたらめ」と呼び、与党の信用を失墜させようとする右派政党の組織的な「最悪の攻撃」であると非難した。
党本部前に集まった群衆は「極右の嫌がらせに屈するな」「あなたは1人じゃない」などと叫び、サンチェス氏に辞任しないよう求めた。
サンチェス氏の任期は3年以上残っている。
中道右派の国民党は27日、サンチェス氏が辞任をちらつかせて妻から注意をそらし、来る地方選と欧州議会選で支持を得ようとしていると主張した。
社会労働党は昨年7月の下院選(定数350)で過半数を獲得できず、第2党となったものの、連立交渉に失敗した国民党に先んじて左派連立を発足させた。
サンチェス氏の辞任に反対するジャーナリスト数千人は26日、ゴメス氏の司法調査に反対するオンライン請願に署名。団体による告発を「反民主的な暴挙」と呼び、厳しく非難した。