◎この女は現場に爆弾を置いたとされ、有罪が確定すれば最大で終身刑7回と禁固1900~3000年を言い渡される可能性がある。
トルコ・イスタンブールの裁判所は26日、2年前に発生した爆破テロの実行犯であるシリア国籍の女に終身刑を言い渡した。
被告は殺人罪やテロ罪などで起訴された。
2022年11月13日にイスタンブールのイスティクラル通りで発生した爆破テロでは子供2人を含む6人が死亡、99人が負傷した。
検察はこの女を含む数十人を起訴している。
この女は現場に爆弾を置いたとされ、有罪が確定すれば最大で終身刑7回と禁固1900~3000年を言い渡される可能性がある。
イスタンブール地検によると、この女とテロの首謀者とされる男(未逮捕)はシリア北部に拠点を置く「クルド人民防衛部隊(YPG)」の情報工作員だという。
トルコ政府はYPGを「クルド労働者党(PKK)」の一派とみなしている。
PKKはトルコ南東部に自治区を建設するため、国内で数十年にわたって反乱を続けてきた。
この女と首謀者の男はYPGとPKKから特別な訓練を受け、爆発物を持ってトルコに入国。同組織が構築したネットワークの助けを借りてイスタンブールに向かったとされる。男はテロ攻撃後、組織の助けを借りて国外逃亡に成功した。
国営アナトリア通信によると、女の弁護士は控訴する意向を示したという。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。米国とEUもPKKをテロ組織に指定している。