◎アフリカ大陸の54カ国のうちウガンダを含む30カ国が同性愛を犯罪としている。
ウガンダの憲法裁判所は3日、同性愛を厳しく取り締まる反LGBTQ法の差し止めを求める訴えを退けた。
判事は国連や欧米諸国から非難された反LGBTQ法を支持。原告の訴えを退けた。
アフリカ大陸の54カ国のうちウガンダを含む30カ国が同性愛を犯罪としている。
この法律は昨年5月に施行され、未成年者やその他の弱者に対する同性愛行為（オーラルセックス含む）、HIVに感染した個人による同性愛行為に厳罰を適用する。
ムセベニ（Yoweri Museveni）大統領はLGBTQ＋（性的少数者）を「ポンコツ」「犯罪者予備軍」などと呼んでいる。
地元メディアによると、原告団は最高裁判所に上告する意向を示したという。
憲法裁は判決の中で、「この法律は国民の代表である国会議員が憲法に基づいて議論、可決したものであり、憲法に反するという原告の主張は認められない」と裁定した。
ウガンダは1950年に制定された植民地時代の刑法により、同性の性行為を禁じている。この刑法は「自然の摂理に反する行為」を犯罪とみなしている。
未成年者やその他の弱者に対する同性愛行為、HIVに感染した個人による同性愛行為で有罪となった個人は禁固14年以下。同性愛未遂罪は禁固10年以下に処される可能性がある。
最高裁はHIVに感染した同性愛者の「薬や治療を求める権利」を侵害することはできないと裁定している。これにより、同性愛者だからという理由でHIVの薬を処方しない病院・薬局は取り締まりの対象となった。
国連人権理事会のターク（Volker Turk）高等弁務官は3日、憲法裁の判決に遺憾の意を表明し、政府にこの法律を廃止するよう改めて要請した。
それによると、この法律が施行されて以来、600人近くの同性愛者が嫌がらせや虐待を受けたという。
