◎カーン氏は現在、170件以上の訴訟を抱えている。
パキスタン、カーン元首相(右)と妻のビビさん(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタン・イスラマバードの高等裁判所は1日、カーン(Imran Khan、服役中)元首相とその妻に対する14年の実刑判決を保留した。しかし、夫妻は別の事件で服役しているため、釈放されない。

高裁は夫妻に対する禁固14年を保留する命令を出した。審理は今月末に再開する予定だ。

カーン氏は現在、170件以上の訴訟を抱えている。

カーン氏の政党「パキスタン正義運動(PTI)」の報道官は声明で、「イスラマバード高裁は夫妻の訴えを認め、実刑判決を保留にする命令を出した」と述べた。

高裁は夫妻の保釈を命じたが、別の事件で有罪判決を受け服役中であり、釈放は認められない。

地元メディアは専門家の話しとして、「この命令は形式的なものに過ぎない」と伝えている。

夫妻は2カ月前、汚職の罪で禁固14年を言い渡され、控訴していた。

さらに夫妻は「離婚から3カ月以内に再婚してはならない」という婚姻法の条項に違反したとして、禁固7年を言い渡されている。この控訴審の日程は決まっていない。

夫妻の弁護団は声明で、「カーン氏と妻のビビ(Bushra Bibi、服役中)氏は公正な裁判を受ける権利を侵害されている」と主張した。

また弁護団はシャリフ政権が司法を利用してカーン夫妻を弾圧していると主張した。

地元のアナリストはカーン氏の裁判がすさまじい勢いで進んでいることについて、「独立76年の歴史の半分を支配してきた軍指導部を糾弾したことに対する罰」と指摘。

カーン氏は2年前、軍指導部が米国と共謀してパキスタンを軍事国家に変えようとしているなどと主張。議会はその数カ月後にカーン氏の不信任決議案を提出、賛成多数で可決・弾劾した。

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