◎パキスタンは2022年夏、壊滅的な洪水に見舞われ、300億ドル以上の経済損失を被った。
パキスタンのシャリフ首相(Mary Altaffer/AP通信)

パキスタン政府は22日、国際通貨基金(IMF)に対し、新たな長期融資を求める予定であると明らかにした。

財務省の報道官は記者会見で、「IMFによる30億ドルの融資が完了した後、新たに長期融資を求める予定である」と述べたが、金額には言及しなかった。

IMFは今週、パキスタン政府との数日間にわたる協議の結果、11億ドルを融資することで仮合意に達したと発表した。

IMF理事会は数日中にこれを承認するものとみられる。IMFはパキスタンへの融資30億ドルのうち19億ドルを拠出している。

地元メディアは今週、政府関係者の話しを引用し、「IMFに最大80億ドル規模の新たな救済を求める可能性がある」と報じていた。

パキスタンは2022年夏、壊滅的な洪水に見舞われ、300億ドル以上の経済損失を被った。この洪水では1800人近くが死亡、国土の3分の1が冠水被害に見舞われた。

政府は債務処理に苦労している。消費者物価指数(CPI)は一時40%を超え、債務不履行が現実味を帯びてきた。

IMFは昨年6月、政府が補助金を削減し、増税を約束したことを受け、30億ドルの融資を承認。財務省によると、CPIは20%台まで低下したものの、人口の大多数を占める低所得者層が電気・ガス代の支払いに苦労しているという。

財務省は声明で、「新たな救済で経済を活性化させ、外国投資を呼び込み、CPIをさらに押し下げるよう努める」と表明した。

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