◎ブルキナ北部では過激派と国軍による戦闘が続いている。
西アフリカ・ブルキナファソ北部の3つの集落にイスラム過激派とみられる正体不明の武装集団が押し入り、住民少なくとも170人を処刑した。地元当局が3日、明らかにした。
それによると、事件はサヘル地域の3集落で2月25日に発生。重武装した戦闘員たちが少なくとも170人を銃殺したり、ナタや斧で切り刻んだという。
AP通信は地元当局者の話しとして、「テロリストたちは女性や子供数十人を誘拐し、家畜数百頭を略奪した」と伝えている。
AFP通信によると、犯行声明を出した組織は確認されていない。軍政がこの地域に部隊を派遣したかどうかも不明である。
AFPは地元の軍政支部当局の声明を引用し、「陸軍が捜査を開始した」と伝えている。
国営テレビは3日、サヘル地域のイスラム国(ISIS)系組織が数十人の女性と幼い子供を処刑し、その様子をSNSに投稿したと報じた。
この動画はテレグラムで拡散。ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信も似たような動画をウェブサイトに投稿している。
東部の集落にあるキリスト教の教会でも2月25日に襲撃事件が発生し、少なくとも15人が処刑されたとみられる。
ブルキナ北部では過激派と国軍による戦闘が続いている。
ブルキナの国土のおよそ半分が軍政の管理下になく、過激派の支配下に置かれている。
軍政はISISや国際テロ組織アルカイダを含む過激派の反乱に何年も悩まされてきた。
一連の戦闘やテロ攻撃で死亡した民間人は数千人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も全く経っていない。
国連によると、過激派と国軍の戦闘に巻き込まれて難民になった市民は200万人以上と推定され、その多くが国外に逃亡したという。
2022年9月のクーデターで旧軍政を追放し、世界最年少の大統領となったトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派に支配された領土を「征服」すると宣言したものの、暴力の波に圧倒されている。