◎野党「変革のための市民連合(CCC)」の党員であるアリさんは2022年5月、首都ハラレ郊外の町で何者かに拉致された。
-2.jpg)
2年前に殺害されたジンバブエの野党活動家の葬儀が2日に執り行われた。
現地メディアによると、葬儀場の近くで野党「変革のための市民連合(CCC)」の支持者同士が衝突し、数人が負傷したという。
CCCの党員であるアリ(Moreblessing Ali)さんは2022年5月、首都ハラレ郊外の町で何者かに拉致された。
それから2週間後、拉致現場地近くの井戸でアリさんのバラバラ遺体が見つかった。
警察はその後、アリさんを殺害したとされる男を逮捕。殺人罪で有罪が確定し、禁固30年に処された。
それ以来、アリさんの遺体は政府の遺体安置所に置かれたままとなり、遺族の怒りが爆発。「与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)が殺害に関与した」と主張した。
当局はアリさんの弁護医らを「虚偽情報を拡散した罪」で逮捕。遺体を返してほしいという遺族の訴えを無視し続けた。
アリさんの弁護士らは2年近く勾留された後、執行猶予付きの実刑判決を受け、今年1月に釈放された。
アリさんの兄弟は地元テレビ局の取材に対し、「ようやく妹を埋葬できた」と涙ながらに語った。
ジンバブエを37年間統治したZANU-PFのムガベ(Robert Mugabe)前大統領は2017年の軍事クーデターで失脚。その右腕であったムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)氏が翌年の大統領選を制した。
ムナンガグワ氏は貧困対策、インフレ抑制、慢性的な停電の解消などに取り組もうとしているが、政策はうまく機能せず、国民の不満は高まるばかりだ。
ジンバブエ・ドルの価値は2008年の歴史的なハイパーインフレでその信頼を失って以来、低迷している。当時のインフレ率は世界記録とされる50億%に達し、中央政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。