◎国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは2月29日に公表した74ページにわたる報告書の中で、「トルコ軍とその支援を受ける武装勢力がクルド人自治区で数多くの虐待に関与した」と指摘している。
クルド人武装勢力の兵士(Getty Images)

トルコ政府は1日、シリア北部のクルド人自治区でトルコ軍が戦争犯罪を犯したという国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の報告書を「虚偽」と否定し、「現地の状況を何も理解していない素人集団が偽情報を拡散している」と主張した。

HRWは2月29日に公表した74ページにわたる報告書の中で、「トルコ軍とその支援を受ける武装勢力がクルド人自治区で数多くの虐待に関与した」と指摘している。

トルコ外務省の高官はAP通信の取材に対し、「現地の状況を何も理解していない米国に拠点を置く素人手段がトルコの内政に干渉し、安全保障に影響を及ぼそうしている」と語った。

また高官は「トルコ政府は国際人道法を完全に履行している」と主張した。

トルコ政府は2016年以来、シリア国内で3つの大規模作戦を決行している。

これはテロ組織に指定しているクルド労働者党(PKK)やクルド人民防衛部隊(YPG)などを標的にしたものである。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。

トルコ政府はこれらの組織が拠点を置くシリア北部とイラクを定期的に空爆している。

HRWは数百人の目撃者・関係者の証言などをまとめ、「トルコ軍はクルド人自治区で拉致、恣意的逮捕、不法勾留、性的暴行、拷問などを繰り返している」と非難した。

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