◎エルサルバドルの憲法は同一人物が2期連続で大統領を務めることを禁じているが、1期(5年)間隔を空ければ立候補できる。
中米エルサルバドルで大統領選と立法議会選(定数84)の投票が進められている。地元メディアが4日に報じた。
それによると、ブケレ(Nayib Bukele)大統領の再選は確実。ブケレ氏の与党・新思想党(NI)の絶対安定多数も揺るぎそうにない。
エルサルバドルの憲法は同一人物が2期連続で大統領を務めることを禁じているが、1期(5年)間隔を空ければ立候補できる。
しかし、高等選挙裁判所は昨年、ブケレ氏の出馬を認めた。
最新の世論調査によると、ブケレ氏の支持率は85%を超えている。有権者の大多数がブケレ政権のギャング掃討作戦が同国の治安を劇的に改善させたと評価しているようだ。
ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。
それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万人近くに達し、その大半が裁判を受けることなく刑務所に勾留されている。
非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。
また一連の刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。
国民の大多数が殺人や麻薬関連の事件が多発していた地域からギャングが一掃されたことを歓迎している。
首都サンサルバドルの投票所に足を運んだ男性はAP通信の取材に対し、「ブケレ大統領の再選を支持しないのはギャングとその関係者だけだ」と語った。