◎国営電力会社の送電鉄塔とシステムで障害が発生し、首都コロンボを含む全国で数時間停電が続いた。
スリランカ全土で9日、送配電システムの不具合による停電が発生し、数百万人が影響を受けた。
地元メディアによると、国営電力会社の送電鉄塔とシステムで障害が発生し、首都コロンボを含む全国で数時間停電が続いたという。
コロンボの停電は9日の夕方から数時間に復旧した。
電力会社は公式ウェブサイトに声明を投稿。「段階的に復旧作業を進めており、完全復旧には数時間かかる見込み」と説明した。
スリランカは電力の大部分を水力発電で賄っており、夏場と冬場のピーク時に合わせて火力の発電量を増やしている。
スリランカは昨年、水力発電ダムの水位低下により、数ヶ月にわたって計画停電を実施。未曽有の経済危機で外貨準備が枯渇した結果、石油・石炭を輸入することができなくなったのである。
ラジャパクサ前政権は昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大部分を占める低中所得者層の多くが今も厳しい生活を余儀なくされている。
ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領の下、燃料危機は何とか回避され、電力供給も回復した。
しかし、電気料金の値上げや企業に重い所得税を課すなどして歳入を増やそうとするウィクラマシンハ政権の取り組みは有権者の支持を得られず、不満が高まっている。