◎インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、火山の噴火、地震、豪雨による地滑りや洪水などの自然災害に毎年見舞われている。
インドネシア・西スマトラ州のマラピ山が3日午後に噴火し、麓の住民数百人が避難を余儀なくされた。
国家災害対策庁によると、噴煙の高さは1万5000メートルに達し、数十キロ先で降灰が確認されたという。
インドネシア火山地質災害対策局(PVMBG)の担当官はAP通信の取材に対し、「今のところ、死傷者が出たという報告はなく、噴火後、山頂に続く2つのルートを閉鎖した」と語った。
PVMBGは火口から3キロ圏内を立ち入り禁止区域に指定し、周辺住民に避難を呼び掛けている。
地元テレビ局によると、噴火前に登山を開始した約70人が中腹で噴火に遭遇し、立ち往生しているという。これまでに28人が下山に成功、残りはまだ救助を待っている状態とみられる。
ソーシャルメディアで共有された動画には避難小屋に退避した登山者たちの顔や髪が火山灰で汚れている様子が映っていた。
国家災害対策庁の報道官は声明で、「いくつかの集落が火山灰に覆われ、数百人が自主的に避難している」と明らかにした。
地元当局は避難者にマスクを配布し、メガネやゴーグルを着用をして火山灰から身を守るよう促したという。
地元テレビ局によると、マラピ山の麓で生活する住民は約1400人。火口から最も近い集落は5~6キロの地点にある。
インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、火山の噴火、地震、豪雨による地滑りや洪水などの自然災害に毎年見舞われている。
2021年12月に発生したジャワ島の最高峰スメル山の噴火では48人が死亡、少なくとも36人が行方不明のままである。