◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国で19日、大統領選の選挙運動が正式にスタートし、現職を含む候補26人が各地で集会を開いた。
チセケディ(Félix Tshisekedi)大統領は首都キンサシャで数万人規模の集会を。最大野党のライバルは近隣州で演説した。
欧米のオブザーバーは内戦状態にある東部地域で公正な選挙を行うことは難しいと指摘している。この地域の住民数百万人が避難生活を余儀なくされている。
キンサシャの国立競技場で集会を開いたチセケディ氏は有権者にこう語りかけた。「私は全国民の力を借りて、この国の民主主義を確立しました...」
大統領選第1ラウンドは12月20日に予定されている。登録有権者約4400万人が大統領選、連邦議会選、地方議会選、市長選などに投票する。
過半数を獲得する候補がいなかった場合は上位2人の決選投票に移行する。
選挙管理委員会は19日、東部地域で激戦が続いているにもかかわらず、「総選挙は予定通り実施される」と強調した。
欧米の政治アナリストは「中央政府と選管は一連の選挙を期間内にすべて終えると公言しているが、当局の管理能力には疑問が残る」と指摘している。
キンサシャ郊外で野党候補の集会に参加したある司祭は地元メディアの取材に対し、「団体から投票用紙を売ってほしいと懇願された」と語った。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
国軍と同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」およびISIS系組織「民主同盟軍(ADF)」は戦争状態にある。
国際移住機関(IOM)は先月、同国全土で民間人少なくとも690万人が避難を余儀なくされ、世界最大級の人道危機が続いていると警告した。