◎カラス氏は46歳の元弁護士。欧州で最も声高にウクライナを支持し、EU・NATO加盟国の中で最も厳しくロシアを非難してきた。
エストニアのカラス(Kaja Kallas)首相は15日、NATO事務総長に就任する意思があると表明した。
カラス氏は米政治サイト「ポリティコ」が主催するイベントに出席するためにワシントンD.C.を訪問中、記者団の取材に応じた。
カラス氏は「NATOの次期事務総長に選出されたいか?」という質問に対し、「はい」と答えた。
NATOの現事務総長であるストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)氏は2024年10月に退任する予定だ。
エストニアの与党・改革党はカラス氏の発言に関するコメントを出していないが、党報道官によると、カラス氏は首都タリンで18日に開催される党大会で党首再任を目指すと表明する予定だという。
カラス氏は46歳の元弁護士。欧州で最も声高にウクライナを支持し、EU・NATO加盟国の中で最も厳しくロシアを非難してきた。
とりわけカラス氏はロシアと国境を接するバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)に対して、より徹底した防衛体制を確立するようNATOに迫った。
NATOの外交官や安全保障政策の専門家の中にはカラス氏がタカ派過ぎるとして、事務総長就任は難しいと指摘している。
改革党はウクライナ侵攻が主要テーマとなった3月の総選挙で圧勝。カラス氏の支持率はピークに達した。
しかし8月、カラス氏の夫が昨年2月のウクライナ侵攻後もロシア企業との関係を維持していたことが明らかになり、支持率は急落した。
カラス氏は以前、エストニア企業にロシアでの事業を停止するよう呼びかけていた。