◎今年1月1日~10月15日までの間に2万3500人近くの移民がカナリア諸島にボートで到着した。
スペイン当局はアフリカ北西部・カナリア諸島にボートで到着する移民が急増していることを受け、未使用の軍兵舎や施設を一時的にシェルターに転用することを計画している。現地メディアが26日に報じた。
それによると、中央政府の移民担当局は軍と協力し、首都マドリードにある2つの兵舎と南部にある軍施設を移民用シェルターに転用できるかどうかを評価しているという。
スペイン国営テレビは政府高官の話しとして、「現時点では万が一、シェルターが必要になった場合に備えて準備を整えておく必要があると考え、施設の評価を進めている」と伝えている。
内務省によると、今年1月1日~10月15日までの間に2万3500人近くの移民がカナリア諸島にボートで到着したという。昨年同時期に比べると90%近く増加し、そのほとんどがセネガルから出港していた。
アフリカ北西部からカナリア諸島を目指すルートは世界で最も危険な亡命ルートのひとつとされ、数えきれないほどの命が奪われてきた。
移民担当局によると、カナリア諸島にここ数週間で到着した移民約5000人は同諸島の施設に収容しきれないとして、本土に移送されたという。
野党はサンチェス政権が移民に寛容な政策を取った結果、カナリア諸島に亡命希望者が押し寄せていると非難している。
スペイン国営テレビは政府高官の話しを引用し、「カナリア諸島に到着した移民の数はロシアの侵略から逃れたウクライナ市民に比べればわずかであり、当局はこの流入に対処できる」と伝えている。
ロシアによるウクライナ侵攻後、スペインに避難したウクライナ市民は約20万人。