◎ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。
ニジェール、首都ニアメ郊外の空軍基地(Getty Images)

米国防総省は19日、西アフリカ・ニジェールに駐留する部隊を9月中旬までに撤退させると明らかにした。

同省はニジェール国防省との共同声明で、「双方は5月15~19日の会合で、9月15日を撤退期限とすることに合意した」と述べた。

ニジェールに駐留する米兵は1000人未満である。

ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。

しかし、昨夏のクーデターで政権を奪取した軍政指導部は今年3月、2012年に米国と結んだ軍事協定を一方的に打ち切り、駐留米軍に撤退を命じた。

米軍は首都ニアメから1000キロほど離れた北部に空軍基地を保有。数百人規模の部隊を駐留させ、サヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織を取り締まってきた。

西アフリカで影響力を強めるロシアはニジェールにも部隊を駐留させている。ニアメに近い「エアポート101」と呼ばれる空軍基地では少数の米部隊とロシア軍が同じ敷地内に駐留している。

AP通信はこの問題に詳しい当局者の話しとして、「ニジェールの安全保障がワグネルのようなロシアの民間軍事会社に委ねられるような事態にはならないと思う」と伝えている。

マリ軍政はワグネルと契約を結び、対テロ作戦を展開している。

APによると、ニジェールの米部隊は「現実的な範囲」で装備品などの移転準備を進めているという。

空軍基地本体はニジェールに残される予定だ。それ以外の機器、兵器、装備はすべて米アフリカ軍の拠点などに移されるとみられる。

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