◎国会は今週、物議を醸す外国エージェント法案を賛成多数で可決した。
2024年5月14日/ジョージア、首都トビリシの国会近く、外国エージェント法案に抗議するデモ(AP通信)

ジョージアズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領が18日、メディアやNGOを標的とする通称「ロシア法」に拒否権を行使した。

国会は今週、物議を醸す外国エージェント法案を賛成多数で可決。これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。

政府与党は先月、昨年断念したこの法案の内容の一部とタイトルを見直して国会に再提出。内容は昨年のものとほぼ同じであった。

首都トビリシではこの法案に反対するデモが暴動に発展。逮捕者が出る事態となった。

野党、メディア、ジャーナリスト、人権団体、EUの執行機関である欧州委員会はロシアが同様の法律で反体制派を弾圧していることから、これに強く反対している。

与党「ジョージアの夢」との対立を深める親欧米派のズラビシュヴィリ氏は18日、この法案を改めて強く非難。「廃止しなければならない」と強調した。

しかし、国会の多数派であるジョージアの夢は過半数の賛成でこれを覆すことができる。

政府はこの法律がメディアやNGOの透明性を担保し、外国勢力の影響力を抑制できると主張している。

デモ隊は「政府がメディアを監視下に置き、批判的な報道をしないよう圧力をかけ、今年10月の議会選で優位に立とうとしている」と主張している。

ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。

それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。

両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。

政府与党はロシア寄りの姿勢を示しながらも、EUとNATOへの加盟を目指すと主張している。

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