◎マリ、ブルキナ、ニジェールを含むサハラ砂漠以南のサヘル地域は近年、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による攻撃で荒廃している。
西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェール軍政が3カ国による相互防衛協定を結んだ。マリの国営メディアが17日に報じた。
それによると、軍政の代表団は16日にマリの首都バマコで会談し、協定に調印したという。
マリ軍政を率いるゴイタ(Assimi Goita)大佐はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「3カ国はサヘル連合を形成し、市民の命・安全・利益を守るために、集団防衛と相互扶助の関係を確立した」と表明した。
マリ、ブルキナ、ニジェールを含むサハラ砂漠以南のサヘル地域は近年、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による攻撃で荒廃している。
その中でもニジェールはイスラム過激派との戦いにおいて、西側諸国の重要な戦略的パートナーであった。
しかし、大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、ニジェールの首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はバズム氏の即時解放と憲法秩序の回復を軍政に求め、応じない場合は軍事介入も辞さないと警告している。
マリ軍政の報道官は声明で、「このサヘル連合は3カ国の軍事的・経済的成長を促進する取り組みのひとつでり、最優先事項はテロとの戦いになるだろう」と述べた。
サヘル地域におけるイスラム過激派との戦いは2012年にマリ北部で始まり、2015年にブルキナとニジェールに拡大した。
マリとブルキナ軍政はECOWASに対し、「ニジェールへの軍事介入は両国への宣戦布告とみなす」と警告している。
ニジェール軍政も先週、ECOWASとの連帯を表明しているフランス政府が軍事介入の準備を進めていると主張。攻撃を受けた場合はマリ、ブルキナと連携して反撃に打って出ると警告した。
16日に調印された協定は加盟国のいずれかが攻撃された場合、相互に支援することを義務づけている。