◎クルーズ船に大きな損傷はみられず、負傷者も確認されていない。
デンマーク領グリーンランドの国立公園で乗客乗員206人を乗せたクルーズ船が座礁した。デンマーク軍の統合北極圏司令部が12日、明らかにした。
それによると、座礁したのはバハマ船籍のノルウェー客船。北東グリーンランド国立公園のフィヨルドで座礁したという。
この国立公園は世界最大かつ最北に位置し、氷山と海岸を散策できることで知られている。
統合北極圏司令部の報道官は地元テレビ局KNRの取材に対し、「クルーズ船に大きな損傷はみられず、負傷者も確認されていない」と説明した。
また報道官は「デンマーク海軍の巡視艇は2000キロ以上離れた地点から現場に向かっており、到着は早くても15日になる予定」と述べた。
クルーズ船の全長は104.4メートル、幅は18メートルで、ノルウェー南部に拠点を置く企業が運営している。
KNRによると、統合北極圏司令部はこの海域にいる別のクルーズ船と連絡を取り、現場に動きがあった場合は支援に向かうよう要請したという。
またKNRは座礁したクルーズ船について、「満潮時に自力で脱出できる可能性もある」と報じている。
統合北極圏司令部の主な任務はデンマーク領の一部であるフェロー諸島とグリーンランドの周辺地域を監視し、デンマークの主権を確保することである。