◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ氏暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2021年7月8日/ハイチ、首都ポルトープランスの警察庁舎、モイーズ大統領の暗殺に関与したとされる傭兵たち(Jean Marc Hervé Abélard/AP通信)

中米ハイチの裁判所でモイーズ(Jovenel Moise)大統領の暗殺に関与したとされるコロンビア人の審問が初めて行われたようだ。現地メディアが30日に報じた。

AP通信によると、暗殺に関与したとされるコロンビア人18人のうち少なくとも2人が首都ポルトープランスの仮裁判所に出廷したという。

この2人はギャングの支配下に置かれているポルトープランス郊外の刑務所から近くの役場に移され、そこで審問を受けたとみられる。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ氏暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

モイーズ氏の暗殺にはハイチの警察官を含む40人以上が関与したとされる。この事件を担当する裁判官は何度も交代しており、裁判は遅々として進んでいないようにみえる。

最高裁の命を受けた裁判官5人は様々な理由で担当を外れている。ある判事は「ギャングに殺される可能性がある」、別の判事は「家族が誘拐される」という理由で交代を申し出た。

米国でも暗殺に関与した11人の裁判(予備審問の段階とみられる)が進められている。この裁判も完全非公開で行われており、容疑者の氏名すら公表されていない。

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